嵐は過ぎ去り、6月の雨に
先日、無事に『テンペスト』千穐楽を迎えることができました。
ありがとうございました!
古谷一行さんはじめ素敵なキャストのみなさま、
幻想の音楽を奏でてくださったmama!milkさんとトウヤマさん、
プロスペローの魔術を実現した演出部・スタッフのみなさま、
そして、心強く愉快な妖精ダンサーズの依田さんと彩子さんとともに
日々楽しく取り組むことができました。
なにより、白井晃さんの演出の舞台で、
シェイクスピアの世界を体験できたことは豊かな経験となりました。
無骨で荒々しくも絵画的で上品な舞台空間。
最後に演出家ご本人から「あの空間での居方がよかった」という
お言葉をいただけて、とても嬉しかったです。
今回はお芝居の舞台で、私自身気付くことがたくさんありました。
とくに実感したのは、
役者さんは<言葉>を拠り所にして存在を立ち上げていくこと。
言葉を発するためのチャンネルをいくつもお持ちになり、
演出家の指示や相手との演技のやりとりでどんどん切り替える。
当たり前ですが、役者さんは<役>を考える。
それに対して、ダンサーとしての私は<空間>を肌感覚で測定し、
空間での<役割>を考え、立ち方を気をつけていました。
やはり空間を把握する感覚はダンサーとしての私の特徴であり、
大切にしたい感性だと思いました。
そして井手さんの振付け、ステージングも勉強になりました。
ほんと、神技なタイミングをお作りになる方!
わたしがリップさせていただいた「エアリエルの歌」の手振りは
共演者のみなさまにも大好評。「えくぼを叩く」キャッチーな振りや、
個人的には「真珠のボタン」の振りがお気に入りでした。
私も振付家として人を配置して動かしていくことが好きなので、
いつかお芝居のステージングもやってみたいです。
個人的に感慨深かったのは、
小学生の時に初めていわゆる「お芝居」を観たのが、
白井さんが演出された遊◎機械/全自動シアターの『こわれた玩具』で、
その白井さん演出の舞台にダンサーとして立てたこと、
それと、高校生の時にひと聴き惚れしたmama!milkさんの音楽と
なんと!生演奏で舞台上でご一緒できたこと。
自分の過去のときめきたちが繋がれたご縁に静かに感激でした、、、
(高校の時に初めて買ったmama!milkさんのCDと、
以前頂いて持っていたトウヤマさんの楽譜にサインをいただき、
トウヤマさんにはちゃっかり楽譜の曲を演奏まで!大喜びです。。)
とにもかくにも、
嵐のように舞台は去りますが、その切なさは胸に、
ひとり櫂を漕いでぐいぐいと航海を。またどこかでめぐり逢えるよう。
次回出演は、6/29(日)に南品川のギャラリーでソロをやります。
☆イベントURL>>>
(創作のために久しぶりに映画と音楽に浸かる日々。
近年断トツの衝撃、レオス・カラックス『ホーリーモーターズ』を前に、
こういうショックがやはり原動力、と自らを奮い立たせております。)