耳を澄ます

(来年2010年6月、新作を発表予定。)
それで作品のことをいろいろ考えていて
私にとって物語や身体を引き出す一番重要な要素が「音」で、
それを「聴く」ことで空間を立ち上げていくような気がしています。
つまり「音を設計する」ことで作品を構成して、
「音を聴く」ことで細やかな身体を演出している、という感じです。
例えばInherだとバケツの底で響く水滴やはさみの鋭い音、
衣服の擦れる音や呼吸、もしかしたら聞こえるかもしれないまばたきの音とか
そういう「音」の演出に対してかなり敏感だと思います。
タイトルや文章を書くときも言葉の響き(声に出したときの質感)でまず考えて、
その後字面のバランスで漢字なのかひらがななのか、
どこに句点を打つかなど整えていく。
「空間を聴く」ということが私の作品づくりでとても大事なことで、
作品で「音」をどう響かせるかというのを最近よく考えているなと気づきました。
ダンス作品というか
行為としての「音作品」みたいなアプローチができたら面白いなと思っています。
今は作品の図面というか図形楽譜のようなものを作ろうと思案中。
関連した追記:
以前観た海外の演劇で、たしかスペイン語だったと思うのですが
芝居が終始「音楽」に聞こえるという経験をしました。
日本語字幕が出てるのですが
原作を知らない私は途中で混乱して読むのをやめて
演劇を「聴く」ことをしました。
ラテンの語感がとても心地よく。
わからない言語だったからできた鑑賞方法ですね。
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